まいど、黒井(@961373)です。
大人になると「紙に鉛筆で」ものを書く機会がずいぶん減ってしまいますよね。でもアイデアを発想するのにもっとも適した”ガジェット”は「紙と鉛筆」ですよ。
人間の脳は目に入ったものや耳で聴いたものなどを「キーワード」として、そのキーワードから「連想」したり、キーワード同士を「組み合わせ」たりしながら思考します。
紙と鉛筆で書くことは、この機能をサポートしてくれるんですよ。
パソコンにキーボードで文字入力をしていると「文字を書いている感覚」が得られません。また「手書きするより速く書けてしまう」のでキーワードの連想や組み合わせをする「スキ」がない。
素早い思考(決断力など)ばかりが取りざたとされていますが、アイデアはもっとのろい思考のなかに眠っているんですよ。
ポイントは「体験」です。
キーボード入力のように思考を「作業」にしてしまうのではなく、思考そのものを「楽しむ」ように体験することでアイデアは発想されます。
アイデアを発想するときには「実際に手を動かして」「楽しみながら」「ゆっくり考える」ことが重要なんです。
もくじ
アイデアを「紙と鉛筆で」まとめるといい理由は?

【1】キーワードの「連想」や「組み合わせ」をサポートしてくれる。
冒頭に書いたことのおさらいになりますが、人間の脳にはキーワードを自動的に「連想」し「組み合わせ」て物事を考えるクセがあります。
紙と鉛筆で「手書き」するということは、キーボード入力より「遅い」わけですよ。スピードを求められる世界で暮らしていると忘れがちですが「遅い=悪い」ではありません。
腰をすえて「手を動かし」ながら「ゆっくりと」思考することも時には大切です。
頭だけで考えようとせず「紙と鉛筆に」やっぱり「ゆっくりと」書き出す。すると頭のなかにあるキーワードから「連想」したり「組み合わせ」たりする脳の機能が「サポート」されているような実感が得られますよ。
【2】アイデアが「頭の片隅に定着している状態」をつくり出せる。
大人になると「考えなければならないことが多く」なるので「忘れるためにメモを取る」ということをするようになります。
メモについては「忘れる」ことが前提でも構いません。
でも「アイデア」や「アイデアのたね」は忘れてはならないんですよ。
アイデアやアイデアのたねをスマホなどのメモに書き出して「忘れる」と「キーワードの連想や組み合わせが起きづらく」なります。
だからアイデアやアイデアのたねは「忘れた」と思っても実は「頭の片隅に定着している状態」であることがもっとも好ましいんですね。
小説家などが「アイデアを寝かせる」などと言うのは、まさしく「アイデアが頭の片隅に定着している状態で日常を過ごす」ことを言っています。
実際に体験するしかありませんが、アイデアが頭の片隅に定着している状態で日常を過ごし、しばらくしてまた紙に書き出してみると、思いもよらないアイデアが出やすくなります。
そして「アイデアが頭の片隅に定着している状態」をつくり出すのにもっとも良いのが「手書き」なんですよ。
【3】ごちゃごちゃしたところにアイデアは光る。
アイデアを出す段階ではまだ「まとまり」は必要ありませんよね。アイデアを固めてからそれをまとめていけばいいんですから。
パソコンの「テキストエディタ」や「アウトライナー」などのソフトは、アイデアを出すのには「キレイすぎる」んですよ。
どう書いてもキレイに整っちゃうじゃない?
アイデアを出す段階ではもっと「ごちゃごちゃ」していたほうが気が楽でいい。
「いいアイデア」は、いきなり「ポン」と思いつくものではありません。
コピーライター「谷山雅計さん」の著書「広告コピーってこう書くんだ!読本」で、谷山さんは「キャッチコピーをを作る過程について」こう書いています。
最初のステップは「散らかす」。コピーを書こうとしているひとつの商品や起業から、できるだけ多くの切り口や視点を探していく作業です。この段階では取り組んでいる課題について、それこそ360度の角度から”書き散らかして”いきます。
引用:広告コピーってこう書くんだ!読本 – 24ページ
このページの見出しはコピーの「書く」は「散らかす→選ぶ→磨く」
となっています。この3ステップはキャッチコピーに限らずあらゆるアイデアを出すときに必要なステップですよ。
キレイすぎるパソコンのソフトウェア上より、めちゃくちゃに「散らかす」ことのできる自由な空間として、罫線すら入っていないコピー用紙などはちょうどいい”ガジェット”と言えます。
あとがき

個人的な話になっちゃいますけど「ブログのネタがねえなぁ」というときに紙と鉛筆でネタ出しをすると、必ず「10本」ほどのアイデアがすぐに出てきます。
しばらくうだうだしながら紙に手書きしていると、あっという間に数十本の記事のアイデアが出てきます。
そのすべてが実際に記事になっているかというとそういうわけでもありませんが、紙と鉛筆という”ガジェット”の底知れないスゴさに気付かされますよ。