例のアレ、ずるずる先延ばしにしちゃってるなぁ。
やらなきゃいけないけど、やりたくない。
やらなきゃいけないと思うと、途端に面倒くさく感じてくる。疲れ切った今の自分にはとてもできそうにないと感じる。どうせそれをやってみたところで得られるものは少ない。満足感もないだろうし、楽しくもないのだろう。
物事を先延ばしにするとき、私はこんなことばかり考えている。
ぐるぐると同じことばかり考える。そうやって足踏みをすればするほど、先延ばしの沼に足を取られていく。ああ。もう身動きがとれない。
先延ばし癖の原因。
物事をずるずると先延ばしにしてしまう原因は2つある。
ずばり――
- 予想している難易度が高すぎる
- 予想している満足度(楽しさ)が低すぎる
以上の2点だ。
やらなきゃいけないけどやりたくない。面倒くさい。そう感じているとき、頭のなかでは、その作業がいかに大変か、いかに自分が疲れているのかと考えていたりする。あるいはどうせその作業をしても楽しくなんてないだろうし、満足感も得られないだろうと考えていたりもする。
つまり「予想」しているのだ。
でもその「予想」は正しいのか?
予想が正しくないと断言できる理由。
明日の天気を予想するのには、気象衛星から送られてくる「雲や水蒸気の分布」などの情報が必要だ。何かを予想するためには、予想を裏付ける何らかの情報が必要だろう。
私たちがある作業についての難易度や、そこから得られる満足度を予想するとき、その裏付けとなる情報は私たちの頭の中にある。
感情だ。
私たちは作業に取りかかる前から「面倒くさい」とか「やりたくない」とか「疲れ切った今の自分にはできそうにない」と感じている。そしてこれらの感情を前提にして作業の難易度や、そこから得られる満足度を予想しているのではないか。
ネガティブに偏った感情から出てきた「予想」は正しいのか?
答えは「正しいはずがない」だ。
先延ばし癖は全人類の悩み?
そうは言っても、人間の脳が作業という名の「目の前の敵」を過大に評価するのは仕方のないことだと思う。私たちの遠いご先祖様が、あまりに壮大で危険な自然の中、クマやイノシシなどの猛獣と隣り合わせで生きていた時代に「目の前の敵」を過少に評価するとは考えられない。
つまり先延ばし癖は私やあなたの悩みではなく、全人類の悩みなんだろうなぁ。
人間の脳は敵を過大評価する。
いざ戦ってみたら意外と大したことなかったね、なんてこともある。
それならば、予想と実際を比べてみればよい。
先延ばし癖を治す「難易度と満足度のシート」
以下に紹介するシートは、ある作業を行うのに予想される難易度と満足度と、それを実行に移したときの実際に感じた難易度と満足度のギャップを「見える化」するものだ。
私はNotionを使っているけど、紙と鉛筆でもできる。
- 左端に「作業の内容」を書く(なるべく細かく分けよう)
- その右側に「予想の難易度」を書く(0~100点)
- 更に右側に「予想の満足度」を書く(0~100点)
まずはここまで記入して、試しに作業をやってみよう。とりあえず最初の作業だけをやってみても良し。そのままの勢いですべての作業を終わらせてしまっても良し。あくまでも「予想と実際のギャップを確かめるための実験」だと思って取り組もう。
作業を終えたら、シートの右端の二列を埋める。
- 予想の満足度を書いた更に右側に「実際の難易度」を書く(0~100点)
- 右端に「実際の満足度」を書く(0~100点)
シート自体はこれで完成だ。
予想と実際のギャップを確認する。
シートが完成したら、予想していた難易度や満足度と、実際に感じた難易度や満足度を比べてみよう。おそらく予想より実際のほうが難易度は低く感じただろう。そして満足度は予想より実際のほうが高く感じたと思う。
ようするに「いざ戦ってみたら意外と大したことなかったね」ということだ。
ずるずると先延ばしにしてしまっていることや、先延ばしにしてしまいそうなことを「難易度と満足度のシート」を使って実践して、予想と実際のギャップを何度も確認する。
これを繰り返すことで、作業に取りかかる前から「面倒くさい」とか「やりたくない」という感情が浮かんできても、「実際の難易度は低いし得られる満足度は高いものだ」と抵抗できるようになるはずだ。
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