ストレスが溜まっている。
とくに何かがあったわけでもないのにイライラ、うずうずしている。自分の不出来は棚に上げて、他人のアラばかり探したりして、自分の嫌いな自分になっていく。
あるいはどんどんやる気が低下していって、休日をほとんど寝て過ごしてしまったりする。あとになってから「もっと何かすればよかったなぁ」なんて思う。
働いていない私でもストレスを感じることが多い世の中、働いていたり学校に通っていたりする人は、もっともっと大きなストレスを抱えているのだろう。
でも、探せばちょっとした良いことや、ちょっとした楽しみはあるはずだ。
探さなくても「ほっこり」や「まったり」が目の前にあればいいけど、なかなかそういうわけにはいかなかったりする。
それならば、簡単にできるストレス解消法や気分転換になるアレコレを見えるようにしておけば良い。
ネガティブな体験や感情のほうが脳に強く残る。
そもそも人間の脳は、ポジティブな体験や感情より、ネガティブな体験や感情のほうを強く記憶するようにできている。
よくよく考えてみれば分かることなのだけど、私たちの遠いご先祖さまは「常に危険と隣り合わせ」という環境で暮らしていたので、猛獣にやられてしまったり、高い枝に成った木の実を取ろうとして転落するなどして命を落とした個体が多くいたはずだ。
そのようなネガティブで衝撃的な体験を強く記憶することで「あの動物は危険だ」とか「高いところに登るときは注意せよ」といった生きるすべを学んだと考えられる。
もちろん「上手く獲物を罠にかけられた」といったポジティブな成功体験だってしっかり記憶されたのだろうけど、命に関わるネガティブな体験や衝撃的な出来事のほうがより強く記憶に残ったことだろう。
自分の記憶を振り返ってみても、「楽しい」とか「幸せだ」という記憶より、「あのときあいつにこんなひどいことを言われた」といったネガティブな体験や感情のほうがスッと思い出せる。
嫌なことばかり記憶に残っているのは不快だけど、人間はそういうふうにできているのだろう。
「楽しい」や「幸せ」は意外と忘れがち。
反対にポジティブな体験や感情は意外と忘れがちになってしまうよなぁ、とも思う。
一番わかり易いのは「感謝」の気持ちだろう。イラッとしたときのことは一生(とは言わずともかなり長い間)忘れないのに対して、感謝の気持ちは忘れないようにしようと思っていてもしばしば忘れてしまう。
私のような捻くれ者はとくに嫌なことばかり覚えていて、良いこともあったでしょ、なんて言われても「そんなことはなかった」とへそを曲げてしまったりする。
面倒くさいやつなのだ。
ストレス発散方法や気分転換になることを「コーピングリスト」で管理する。
コーピングとは。
コーピングとはひとことで言えば「ストレスに対処する行動」だ。
大雑把に「趣味」と言えなくもないけど、趣味とまではいかないまでも「これをやると落ち着く」という行動もコーピングに含まれる。
コーピングには定番や決まりがあるわけでもないので、当然に私とあなたとではその内容も変わってくるはずだ。
自分だけのストレス発散方法、気分転換になることを「リスト化」しておくことで、嫌な気分になってしまったときや退屈なときの「ポジティブな引き出し」となる。
私のコーピングリスト。
私は上の画像のようなコーピングリスト(シート)を作っている。
表の左から――
- コーピングの内容
- その行動で得られる感情や、刺激される五感
- コーピングを行う際の難易度
- 備考欄
となっている。
家にいるときでも外出先でも、いろんな状況で「コーピング」が使えるように【効能】と【難易度】のタグで管理している。
【効能】タグで「気になる!」となっているものについては、幼少期に好きだったが大人になってやらなくなってしまったことや、興味のあることであり、現段階ではコーピングとして利用できないけどやってみたいなぁ、というものだ。
これから先もっと使いやすいように改善していくこともあるだろうし、先述したとおり私とあなたとではコーピングの内容も、その行動でられるものも難易度も違うだろうから、私と同じような方法でコーピングリストを作る必要はない。
ただ「私のはこんな感じ」というだけ。
このように自分なりのストレス解消法なり、気分転換法なりをリスト化しておくと、嫌な気分になってしまったとき、その状態から脱出する手助けになるはずだ。
たったひとつ、コーピングリストを作るうえでのポイントを挙げるとするならばそれは「どんなに些細なことでもとりあえず書いておけ」ということだ。
私のリストにある「お茶を淹れて飲む」とか「お香を炊く」なんていうのは、やろうと思えば即座に実践できる、いわば「なんてことのない行動」だ。こんなのでストレス解消できないよ。と思うようなことでも、多少なりと気分が改善されるのであればとりあえず書いておく。それが大事。
ストレス解消効果がどんなに大きくても、実践するのにやたらと時間やお金がかかるようなことは、そうしょっちゅうやるわけにはいかない。時間もお金もかからず、まあちょっとは気分が良くなるかなというほんの些細なことでも、どんどん書いていこう。
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