うつから脱出する「気づき」を与えてくれる一冊:人生をやめたいと思ったとき読む本-澤登和夫

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人生をやめたいと思ったとき読む本の表紙商品紹介

まいど、黒井です。

澤登和夫さんの著書「人生をやめたいと思ったとき読む本」を読了いたしました。

ほかの「うつ病を治すための本」とは一味違う、澤登さんの「やさしさ」のつまった良い本でしたよ。

これからは敬意を込めて、あえて「さわとん」と澤登さんのことをアダ名で呼ぶことにします。

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本当に死にたいの? それとも生きるのが辛いの?

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この本のなかでもっとも印象に残ったのは「さわとん」が「自ら命を断つようなことはもう絶対にしないぞ」と心に決めるところです。

さわとんがマンションから飛び降り、奇跡的に助かった時、彼は病院で、自分の母親から「無言のメッセージ」を受け取ります。

しかしその日、飛び降りたことについて、母は何も聞きませんでした。
多くの会話を交わすこともなく、ただそばにいてくれました。
3日3晩、家にも帰らずに、イスをベッド代わりにして隣にいてくれました。
「ひとりじゃないからね」
「どんな状態になっても、ずっと一緒にいるからね」
そんな無言のメッセージを感じました。
まだ「ありがとう」と言える心境ではありませんでしたが、何も聞かずにただそばにいてくれたことはとてもありがたかったです。

人生をやめたいと思ったとき読む本 – 25,26ページ

母親からの無言のメッセージを受け取り、さわとんは誓います。

それまでひとりでがんばってきたところがありましたが「弱い自分を見せてもいいかもしれないなぁ」「ちょっとたよってもいいかなぁ」と、少し思えるようになりました。
このとき、死にたいという気持ちはまだありましたが、こう誓いました。
「自分から死ぬという行為だけは、もうやめよう」
実はこの誓いが、この2年後に再び心身の苦しみがおそって来たときに、自分を思いとどまらせてくれたのでした。

人生をやめたいと思ったとき読む本 – 26ページ

この一連の文章を読んで、ぼくも「自ら命を断つことは考えないようにしよう」と思いました。

辛いときや、苦しいときは、まず「生きる」ことを前提にして、それから「楽に」過ごせる方法を模索していきたいですね。

だって・・・

死にたいのではなく、生きるのが辛いんですから。

心の底から辛いとき、苦しいときには、どうしても「死」が頭を過ぎってしまいますから、紙に大きな字で書いておきたいですね。

この本に詰まっているのは「テクニック」や「ノウハウ」ではなく「記憶」なんですよ。

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ぼくはこれまでに「うつを治すための本」を何冊も読んできました。そのなかには良いものも悪いものもありましたが「人生をやめたいと思ったとき読む本」は、これまでに読んだものとはまったく違う内容で、びっくりしました。

この本には、

ああしたほうがいい。
こうしたほうがいい。

ということが、ほとんど書いてありません。

この本にあるのは「記憶」です。

さわとんを始めとして、多くの「うつ」に苦しむ方々の記憶。

読者はその記憶から自らの手で「気づき」を得ます。

だからこそ「人生をやめたいと思ったとき読む本」なんです。どうしようもない気持ちに襲われたときに、わらにもすがるような思いで手に取るべき本なんですよ。

辛ければ辛いほど、苦しければ苦しいほど、得るものの多い一冊。

前半の第1章、第2章では「うつに苦しむ多くのひとの記憶」をメインに。後半の第3章、第4章では「楽になるための考え方」などのノウハウをメインに進んでいきます。

辛いとき、苦しいときは「現状維持」でも素晴らしいことなんだ。

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最後に本書のなかで得たもっとも大きな「気付き」について書いて終わります。

ぼくは「心が苦しいとき」や「心が辛いとき」ほど「時間」に恐怖を感じていました。

普段からけっこうゴロゴロしているくせに、しんどいときほど「無為に時間が過ぎていくこと」が恐ろしいんです。

自分が立ち止まっている間にみんなはどんどん先に行ってしまうのだ。

頭のなかで、無慈悲なささやきが聞こえてきます。

1秒、また1秒、ちっくたっくと規則正しいペースで進んでいく時間が、胸の中でひとつずつ積み上がっていくのを感じるんです。

ぼくは焦り、ひとりパニックを起こします。

みんなちゃんと働いているのに・・・
自分はまだ起きられずにベッドのなかで・・・

焦りは不安を呼び、不安は恐怖に変貌します。

それなのに、身体が動かない。

記事を書かなきゃと奮い立たせても、何も思い浮かばないんです。

そうなってしまうと、もう1日中なにもできません。

焦りと不安と恐怖に心を炙られるような思いで、やきもきし、それはいつしかイライラに変わります。

いろいろなものがごちゃ混ぜになって、もはや元凶が何であるかも分からなくなった、理由の見あたらないイライラと、悲しみの連鎖。

「人生をやめたいと思ったとき読む本」には・・・

「苦しいときは、現状維持でもまぁOKとしよう」

と、ありました。

あっけないほどにすんなりと、その言葉はぼくの心に入ってきました。

そうだなあ。

そのとおりだ。

本書を読み終えたいまでも、時間が過ぎていく恐怖を感じる瞬間は多々あります。でもこの本を読む以前とくらべると、その恐怖に対処し、なんとか作業ができる状態に回復するまでがスムーズになりました。

とくにブログを書くことは「記事を書くというプラス」はあっても「記事が勝手に減るマイナス」はあり得ないので、1日書かなかったからといって、大きく後退してしまうことはないんですね。

現状維持でもいい。

そう思えたら、生きることだけでなく、ブログを書くことも、少しばかり「楽」になりました。

こうやって、ひとつずつ「苦」を「楽」に変換していけたらいいね。

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